“投資できる脳”と“できない脳”──貧困の本質に向き合う

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はじめに:投資できるという「前提」

私は40代から投資を始めた。 最初は少額の積立から、少しずつ資産を増やし、今では1,000万円を超えるまでになった。 この数字だけ見れば、「努力の成果」と言えるかもしれない。 でも最近、ふと考えることがある。 そもそも、私は“投資できる脳”を持っていたからこそ、ここまで来られたのではないか?

鈴木大介さんの本が教えてくれたこと

『貧困と脳』という本がある。 著者の鈴木大介さんは、脳梗塞を経験し、日常の些細なことすらこなせなくなる「脳の不自由さ」を体験した。 その経験から、貧困層の「だらしなさ」や「サボり」とされる行動が、実は脳の機能障害によるものだと気づく。 彼らは、健常者よりも努力している。 でも、時間管理ができない。約束を守れない。感情のコントロールが難しい。 それは「意志の弱さ」ではなく、「脳の不自由さ」なのだ。

投資に必要な脳の力とは?

投資には、いくつかの能力が必要だ。

  • 情報を集めて、理解する力
  • 感情に流されず、冷静に判断する力
  • 長期的に継続する力

これらは、脳の高次機能に深く関わっている。 つまり、脳が健康であることが、投資の前提条件なのだ。

自己責任論の落とし穴

「誰でも投資できる」「やらない人は損をしている」 そんな言葉を、私はこれまで何度も目にしてきた。 でも今は、少し違う視点で考えるようになった。

投資は、脳に余裕がある人の選択肢だ。 生活が不安定で、脳が疲弊している人にとっては、投資どころではない。 それなのに、「やらないから貧困なんだ」と言うのは、あまりにも冷たい。

私が選んだ投資法と、それでも届かない人たち

私は、感情に左右されない「仕組み投資」を選んだ。 インデックス投資や積立投資は、淡々と続けられるからだ。 でも、それすら難しい人がいる。 脳の不自由さがある人にとっては、口座開設すらハードルになる。 情報を読み解く力、手続きをこなす力、継続する力――それらが欠けている場合、投資は“できない”のだ。

貧困の本質は、「選べなくなること」だと思う。 投資は、選択の連続だ。だからこそ、脳や生活に余裕がなければ、その選択肢すら見えなくなる。 私は、投資ができる環境にいる。そのことに感謝しながら、“選べない人”の背景にも目を向けていきたい。 投資を語るとき、誰かを責めるのではなく、選択肢を広げる視点を持ちたい。 それが、私にできる小さな責任だと思う。

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